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社是「仕事」から「志事」

事あるごとに私が話す私の30年間の中での「消えない後悔」です。平成15年2月11日の2件の同時死亡交通事故。同じ日のほぼ同じ時間、亡くなったお客様は、先輩と同級生。当時、49歳と43歳。当時私は一人で代理店経営、43歳「儲けること」がなにより最優先、先輩Bさんは運送会社の社長さん。いろんな保険に加入してくれていました。一方同級生T君は…私はB社長に熱心なくせに、同級生T君には「まあ、そのうち何かに入れよ」程度で熱意は無かったのです。

そう、当時の私は「最低のクズな保険屋」だったのです。相手の収入や地位で保険のセールスをしていたのです。当時どんな小さな保険でもT君にちゃんと勧めていればと…。

T君は早朝アルバイト中バイク事故、バイト先のバイクが無保険という不運も重なりました。その後、半年ほどでT君の奥さんは小さな子供を二人連れて実家のある仙台へ帰ってしまいました。仙台に帰る前に、私の前でT君の奥さんが号泣した姿はおそらく一生忘れないでしょう。

この話は、当社営業マンに時折話しています。「いいか!この仕事に使命を持て!」と。

余談ですが高校時代、私が生徒会長で学園祭の実行委員長が決まらない時T君が「俺がやるよ」と面倒な仕事を引き受けてくれた事を思い出します。事故で亡くなる10日ほど前の雨の日、ふら~と私の事務所に寄り「長靴が泥だらけだから」と遠慮したのを無理やり上がらせてお茶を飲んだのが最後でした。私は長く日記を書いているので嫌でも鮮明に思い出します。あれから19年、これからも私の「消えない後悔」として一生残るとともに、当社の社員の教訓として残す話だと創業30周年の今改めて感じました。

中沢 勇夢